遊びでなくなってしまった子どものスポーツ
原瀬瑞夫:増補いまスポーツで子どもが危ない,五月書房,1992。
第1章 少年スポーツが抱えている問題点,p.p8-20同名より転載
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子どもの全国大会
地域的に指導・管理されてきた子どものスポーツは,やがて全国的な組織化への道をたどることになります。
1962(昭和37)年,「青少年の健全育成」を旗印に発足した「
日本体育協会
スポーツ少年団」は,まさに時代の申し
子といえます。東京オリンピック招致をきっかけに,1961(昭和36)年スポーツ振興法が制定されたのですが,その
理念の具体的な一歩がこのスポーツ少年団にほかならないからです。
登録団数は昭和61年度約3万,野球,サッカー,剣道,バレーボール,バスケットボールなど44種目,120万人の
子どもが全国で活動しています。
このように,子どものスポーツが組織化されるにつれてめだつようになったのは,対外試合の機会が増えたという
ことです。小学生のレベルでさえ「日本一」を競い合うといった光景をよく目にするようになりました。
ところが,このような全国規模の大会では,ともすればスポーツ管理者,コーチ,両親,それに子どもすら勝つこと
に意義を見いだそうとする傾向が強くなるようです。その結果,子どもにとってハードなトレーニングが目立つように
なりました。スポーツを楽しむというようなものではなくなり,完全に大人の真似をする,大人と同じよう練習をする,
そこへ大人が躍起となって介入する,そして鍛え上げる,といった風潮が随所にみられます。
「何回いえばわかるんだ,このバカ野郎!」
このような聞くに耐えない大人のバリ雑言を,子どものスポーツの現場で耳にすることは,決してまれではありませ
ん。
野球ひじ,ジャンパー膝,疲労骨折などの
使い過ぎ症候群
それまで,がむしゃらに一つのスポーツに打ち込んできた子どもが,極度のストレスによってある日突然,スポーツ
拒否になってしまう
燃え尽き症候群
さらには極端に痛ましい
スポーツ中の急死
などといったスポーツによるけがは,組織化された子どものスポーツの現状に手をこまねいていると,ますます増え
る危険があります。
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大人のスポーツのミニチュア化
(追って掲載します)
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オリンピック主義
(追って掲載します)